-設立の想い-

▼学生時代、中学教員(通常学級)を目指していた私は、教育実習先で授業中の発言も無く、

小テストでは回答が記入されてなく、休み時間には友人とおしゃべりすることもなく、

下を向いたまま、1人ポツンとしている生徒が気になりました。

日々、少しの声掛けをしてみましたが、お返事はありませんでした。

教育実習の最終日、お別れの前に、クラス全員の生徒たちが生徒手帳を抱えて「先生一言書いて!」

と、列を作りました。その列の最後尾に、なんと、気にかけていた生徒さんも並んでいたのです!

その子に一言書き終わった時、消え入るような声で、しかし勇気を振り絞った声で

「あ・り・が・と・う」と言ってくれたのです!

▼この事がきっかけで発達特性のあるお子さんの教育に関心を寄せ、学生時代に教育学・心理学を

学び、さらに特別支援教育も専門に学び、同時に様々な支援施設でボランティア活動を行いました。

▼発達特性のあるお子さんたちは、苦手な学習面の勉強よりも、コツコツ取り組む

手作業が向いているので、自分が美術工芸の技能を身につけて、発達特性のあるお子さんの

教育実践をしたいと思うようになり、この趣旨に賛同して下さった方々のお力の元、

NPO法人工芸技能研究所を設立し、発達特性のあるお子さんと、昨今増加している不登校の

お子さんの教育支援の学校「工芸技能学院」を創設しました。

▼子どもたちの特性に向いた教育内容を取り入れ、自己肯定感を高め、安心して明るい表情で日々を

過ごすことを最大の理念としています。                理事長 和田伊都子

 

和田 伊都子(ワダ イツコ)  プロフィール  理事長、教員免許(中・高・特別支援学校、各1種) 漆芸担当 (東京都出身)

立教大学 (文学部・史学科にて近現代教育史を学ぶ) 卒業
明星大学大学院 (人文学研究科・教育学専攻) 中退
東京学芸大学 (特殊教育特別専攻科) 卒業
※発達特性教育を学ぶとともに、様々な支援施設でボランティア活動
支援施設にて指導員として勤務
高等専修学校の教員として勤務。発達特性のある生徒さんを担当。

のちに同校の副校長として勤務。

※在勤中に漆芸技法を、山崎銕雄氏(日展作家)・音丸馦氏(漆芸家)より師事

NPO法人 工芸技能研究所設立 (工芸技能学院として事業活動)

 

齋藤 一郎(サイトウ イチロウ)  プロフィール  副理事長 テキスタイル作家、綴織担当 (石川県出身)

  京都精華大学卒業 (美術学部造形学科・油絵)
  川島テキスタイルスクール修了 (専攻科)
  テキスタイル作家活動  洋協アートホール新人作家展
               アドレスカプラコ展示会
                金沢市・小松市にて個展  等々
  高等専修学校 教員 。 発達特性のある生徒さんにテキスタイル指導
  2002(平成14)年 NPO法人 工芸技能研究所設立メンバー